「前より毛穴、目立ってきた気がする」
明るいところで鏡を近づけると、頬の毛穴が前より見える気がする。ファンデーションを塗ったら、かえって毛穴が浮いて見えた。鼻は丸い点なのに、頬は縦に伸びて見える。
スキンケアは頑張っているつもりなのに、毛穴だけは変わらない。そんなふうに感じている方は、たくさんいます。
まず、お伝えしておきたいことがあります。
毛穴が目立つことだけで、「汚れている」「ケアが足りない」「老化している」と決めることはできません。
毛穴は、誰の顔にもある正常な構造です。目立つこと自体は病気ではありませんし、恥ずかしいことでもありません。
かといって、「じゃあ何をしても無駄なんですね」という話でもありません。見え方に関わっている要素はいくつもあって、そのうちのいくつかには、手を入れられます。
この記事では、まず「毛穴が開く」という言葉の意味をほどくところから始めます。そのうえで、何が目立たせているのかを分けて、今日からできることを整理していきます。
鏡を一緒に見ながら話しているつもりで、読んでみてください。
先に結論|毛穴は「開閉するドア」ではありません
日常会話では「毛穴が開いた」「毛穴を閉じたい」と言いますよね。この言い方自体を否定するつもりはありません。私も普通に使います。
ただ、体の作りとして、毛穴がドアのように開いて、また閉じる、という構造にはなっていません。
温めれば開き、冷やせば閉じる。そういうスイッチがあるわけではないんです。
では「開いている」と言うとき、何を見ているのか。
毛穴の出口や、その周りの皮膚が、大きく見えている状態です。私たちはそれを「開いている」と表現しています。
この違いを知っておくと、これから先の話がずっと分かりやすくなります。「閉じる方法」を探しているうちは、なかなか答えにたどり着けません。
そもそも、毛穴って何でしょう
短く確認しておきます。
美容で「毛穴」と呼んでいるものの多くは、毛包や皮脂腺に関係する皮膚表面の小さなくぼみ・開口部です。毛包には皮脂腺がつながり、そこで作られた皮脂は皮膚表面へ出ていきます。
DermNetでは、目立つ毛穴(enlarged pores)を、汗や皮脂を運ぶ管の開口部を含む顔の皮膚表面のくぼみとして説明しています。
つまり、毛穴はもともと皮膚にある正常な構造です。
顔には、毛包と皮脂腺がたくさんあります。だから毛穴は、なくすものでも、隠すべき欠陥でもありません。
「穴に汚れがたまっているだけ」という説明を見かけますが、それは正確ではありません。詰まりがある毛穴の話(黒ニキビや面皰など)は別の記事で詳しく扱っていますので、ここでは毛穴そのものの見え方に集中します。
「毛穴が大きい」と「大きく見える」は、同じことでしょうか
ここを分けておくと、対策の考え方が変わります。
実際に大きいこともあります。
毛包そのもののボリュームが大きい
皮脂の分泌が多い
毛穴の周りの弾力が落ちている
面皰などで出口が広がって見える
一方で、毛穴そのものの大きさ以外に、見え方を左右する要素もあります。
肌表面の乾燥や荒れで質感が均一でない
ファンデーションが凹凸にたまっている
光の当たり方で凹凸が強調される
皮脂や化粧崩れで表面の見え方が変わる
鏡の距離や照明が違う
同じ顔でも、朝の洗面所と、夕方のオフィスの照明では見え方が違いますよね。あれは、毛穴の大きさが数時間で変わったわけではありません。
ですから、「目立つ=物理的に巨大化した」と決めつけないでください。 見え方の問題である部分も、確実にあります。
毛穴が目立つ、主な3つの要因

皮膚科領域のレビュー論文では、顔の毛穴が目立つ主な原因として、次の3つが挙げられています。
1.皮脂の分泌が多いこと
皮脂の分泌量と毛穴の大きさに関連があることは、比較的よく知られています。皮脂の分泌が多い方では、毛穴が大きく見える傾向があります。
ただ、ここで注意したいことがあります。
「皮脂が毛穴を押し広げている」という単純な話ではありません。 皮脂腺の活動が活発なこと、毛包が大きいこと、ホルモンの影響など、いくつもの要素が絡み合った結果として、そういう傾向が見られる、ということです。
そして、皮脂そのものは悪者ではありません。 肌を守るために必要なものです。
2.毛包そのものの大きさ
毛包の容積が大きいことは、目立つ毛穴の主要因のひとつとしてレビューで挙げられています。毛包サイズには個人差があるため、スキンケアだけで全員を同じ見え方にできるわけではありません。
3.毛穴の周りの弾力の低下
毛穴周囲の皮膚弾力の低下は、目立つ毛穴の主要因のひとつとして挙げられています。加齢に伴う変化や日光によるダメージも、毛穴の見え方に関係する要因として報告されています。
そして、この3つ以外にも、関連が指摘されているものがあります。
繰り返すニキビ
性ホルモン
遺伝的・体質的な違い
紫外線によるダメージ
使っているスキンケアやメイク製品との相性
ひとつだけ強調しておきたいのは、原因は人によって違い、複数が重なっていることも多いということです。
だから、同じケアが全員に同じように効くわけではありません。レビュー論文でも、原因が人によって違う以上、対処は個別に考える必要がある、と結論づけられています。
ここだけ覚えておいてもらえたら
要点をまとめます。
毛穴は、ドアのように開いたり閉じたりするものではありません。目立つ理由もひとつではありません。皮脂が多い、毛包そのものが大きい、毛穴周りの弾力が落ちている、詰まりがある。こうしたことが重なっていることがあります。
だから、「毛穴を閉じる方法」を探すより、「自分の毛穴は何によって目立っているのか」を分けて考えるほうが近道です。
そして、毛穴を完全になくすことはできません。目指すのは「消す」ではなく「目立ちにくくする」。この切り替えができると、無駄なことをしなくて済みます。
皮脂を取り続ければ、毛穴は小さくなりますか?
これは、はっきりお答えします。
強い洗顔、あぶらとり紙、アルコールの多い化粧水、スクラブなどで皮脂を徹底的に取り続ければ毛穴が小さくなる、という根拠は確認できませんでした。
一方で、「皮脂を取りすぎると、必ず余計に皮脂が増える」という説明も、よく見かけますが、断定できるだけの根拠は見当たりませんでした。ここも正直に書いておきます。
実際に起きやすいのは、もっと地味なことです。
強い洗浄や摩擦を繰り返すと、乾燥、ヒリつき、赤み、刺激につながることがあります。 そうなると、肌の状態を整えるところからやり直しになります。
ちなみに米国皮膚科学会(AAD)は、洗顔について「熱いお湯は肌への刺激になり、毛穴が大きく見える原因になりうる」として、ぬるま湯をすすめています。熱いお湯でさっぱりさせるより、ぬるま湯でやさしく、のほうが理にかなっているようです。
毛穴の大きさは、体質で決まるのでしょうか
ある程度は、そうです。
毛包の大きさ、皮脂の量、肌質には、もともと個人差があります。遺伝的な影響も指摘されています。また、民族的な背景によって毛穴が大きい傾向がある、という記述もあります。
ですから、この記事では「正しいスキンケアをすれば、全員が毛穴の見えない肌になれます」とは書きません。 それは無理な約束です。
ただし、「遺伝だから何をしても無駄」でもありません。
体質で決まっている部分と、あとから加わっている部分があります。詰まり、皮脂の状態、肌表面のなめらかさ、紫外線によるダメージ。このあたりは、手を入れられる範囲です。
「変えられない部分」と「変えられるかもしれない部分」を分けて考える。それだけで、ケアの選び方はずいぶん現実的になります。
年齢とともに毛穴が目立つのは、なぜ?
年齢を重ねると毛穴が目立ちやすくなる、という傾向は、皮膚科の資料でも触れられています。
背景として説明されるのが、皮膚の弾力の低下です。毛穴の周りの皮膚が以前と同じように支えられなくなることで、毛穴が目立ちやすくなる、という考え方です。
ただ、ここは慎重に書きます。
肌がたるむと毛穴が下に引っ張られる
コラーゲンがなくなって穴が縦に伸びる
こういう、物理模型のような説明は、実際の皮膚の変化をかなり単純化したものです。弾力の低下と毛穴の見え方に関連がある、という理解にとどめておくのが正確です。
そして、「◯歳から毛穴が崩壊する」といった脅かし方も、この記事ではしません。年齢は要因のひとつであって、それだけで決まるものではありません。実際、皮脂の量や弾力のほうが毛穴の目立ちやすさと関連していて、年齢そのものとの関係ははっきりしなかった、という研究もあります。
「たるみ毛穴」「涙型毛穴」は医学用語ですか?
いいえ。美容の分野で使われる表現であって、医学的な診断名ではありません。
たしかに、頬などで毛穴が縦長に見えることはあります。それを「たるみ毛穴」と呼んで説明するのは、伝わりやすさとしては便利です。
ただし、「縦長に見えるから、原因は100%たるみ」とは言えません。
形だけで原因を決めることはできないんです。同じように縦長に見えていても、背景にあるものは人によって違います。
ですので、この記事では「縦長ならたるみ」「丸いなら皮脂」といった振り分けはしません。あくまで、「頬などで毛穴が縦長に見える状態を、たるみ毛穴と表現することがあります」という説明にとどめます。
頬の毛穴=加齢、と決めていい?
これも、決めつけないでください。
「鼻は皮脂、頬はたるみ」という説明をよく見かけます。分かりやすいのですが、実際にはそこまできれいに分かれません。
頬の毛穴にも、
皮脂
毛包の大きさ
ニキビや面皰
弾力の変化
肌表面の質感
紫外線によるダメージ
など、複数の要素が関わり得ます。
部位だけで原因を決められるなら話は簡単なのですが、そうはいかない、というのが正直なところです。
紫外線は、毛穴と関係しますか?
関係が指摘されています。皮膚科の資料でも、日光によるダメージ(sun damage)が、毛穴が目立つ要因のひとつとして挙げられています。
ただし、書き方には気をつけたいところです。
「紫外線を浴びると毛穴が開く」というような、直接的・即時的なことが起きるわけではありません。
そうではなく、紫外線による光老化が、皮膚の弾力などに長期的に影響し、その結果として毛穴の見え方に関わってくる可能性がある、という話です。
AADも、日焼けによるダメージが蓄積するほど肌の弾力が失われ、弾力が失われると毛穴が目立って見える、と説明しています。
つまり、日焼け止めは「毛穴を閉じるためのもの」ではなく、長い目で見て皮膚を守るための基本のケアです。すぐに毛穴が変わるものではありませんが、続ける意味はあります。
「毛穴が開くのは乾燥のせい」は本当?
この情報、とても多いですよね。慎重にお答えします。
乾燥が毛穴の物理的な大きさを広げる主な原因である、と言えるだけの根拠は確認できませんでした。 皮膚科の資料が挙げる要因のリストにも、乾燥そのものは主要因として登場しません。
一方で、こういうことはあり得ます。
乾燥して肌表面が荒れたり質感が均一でなくなったりすると、毛穴が以前より目立つと感じることはあります。ただし、乾燥そのものが毛穴の物理的サイズを広げる主要因だと確認されているわけではありません。
ですので、この記事ではこう整理します。
乾燥を整えることで肌表面がなめらかになり、見え方が変わることはあります。ただし、毛穴そのものが消えるわけではありません。
「乾燥すると毛穴が開く」「保湿すれば毛穴が閉じる」という単純な図式では書きません。
保湿で毛穴は小さくなりますか?
保湿には、ちゃんと意味があります。特に、
洗顔後につっぱる
乾燥して粉をふく
刺激を感じやすい
という方では、肌の状態を整えるうえで大切です。肌が荒れていると、他のケアも試しにくくなりますから。
ただし、保湿は毛穴を縮小させる治療ではありません。
保湿の目的は、乾燥や刺激を防ぎ、肌のコンディションを整えることです。その結果として表面の見え方が変わることはあっても、保湿を「毛穴縮小治療」と考えないことが大切です。
ニキビと毛穴の関係
詰まりや面皰の詳しい話は別記事に譲りますが、毛穴の見え方という点で、ひとつだけ。
皮膚科の資料では、ニキビは目立つ毛穴と関連するとされています。毛穴の中に黒ニキビ(開放面皰)が見えていることもあります。
DermNetでは、炎症性ニキビが毛包や皮脂腺の開口部に影響し、毛穴を目立たせる要因になりうると説明されています。
ただし、「ニキビがあると必ず毛穴が広がる」とは書けません。 関連が指摘されている、というところまでです。
もし、黒ニキビや白ニキビが多い、赤いニキビを繰り返している、ということであれば、毛穴用の化粧品を増やすより、まずニキビのほうを皮膚科で相談したほうが早いことがあります。
毛穴は、一度開いたら戻らない?
よく検索される疑問です。答えは、そこまで単純ではありません。
毛穴の見え方は、皮脂の状態、詰まりの有無、肌表面のなめらかさ、弾力、光の当たり方、使っている化粧品などによって変わります。
ですから、「一度開いたら一生そのまま」とは言えません。
一方で、「完全に閉じて、見えなくすることができる」とも言えません。毛穴は正常な構造なので、消すことはできないからです。
変わる余地はある。でも、ゼロにはならない。 これが、いまのところ正確なところです。
冷水・蒸しタオル・スチーマーで、毛穴は開閉する?

まとめてお答えします。
冷水で毛穴は閉じますか?
永久には閉じません。
毛穴に筋肉のドアがついていて、冷えると閉まる。そういう構造ではありません。冷やすことで一時的に肌の見え方や感触が変わることはあっても、それは毛穴のサイズを縮小したこととは別です。
さっぱりして気持ちいい、というのは、それはそれで良いことです。ただ、毛穴対策の本命ではありません。
蒸しタオルやスチーマーで毛穴は開きますか?
温めると皮膚が温かくなり、使用感として気持ちよく感じることはあります。
ただ、毛穴がドアのように開くわけではありません。
ここで気をつけたいのは、「今は毛穴が開いているから、押し出せば全部出せる」と考えて、そのあと強く押したりこすったりしてしまう流れです。温めたあとの肌はやわらかく感じるぶん、力が入りやすくなります。
収れん化粧水で毛穴は閉じますか?
収れん化粧水やアルコールを含む製品では、さっぱりした使用感や、一時的に引き締まったような感覚を得ることがあります。
ただ、毛穴そのものを永久に縮めるとは言えません。
そして、人によっては刺激や乾燥を感じることがあります。ですので、「毛穴が気になるなら収れん化粧水」と一律にすすめることはしません。使ってみて心地よく、肌の調子が良ければ続ければいいですし、つっぱる・ヒリつくなら合っていないだけです。
化粧水を叩き込めば毛穴が閉じる?
これは、根拠がありません。
パッティングで毛穴を物理的に閉じる根拠は確認できません。毛穴を閉じる目的で強く叩く必要はありません。化粧品は、それぞれの使用方法に沿ってやさしく使ってください。
こする、削る系のケアはどう考える?
毛穴を小さくしようとして、スクラブ、ブラシ、タオル、拭き取りシート、長時間のマッサージ。こうしたものでこすって毛穴を小さくすることはできません。
摩擦は、刺激につながることがあります。「きれいにしたいから」やっていることが、遠回りになってしまうのはもったいないです。
クレイパックは?
クレイを使った製品には、皮脂や表面の汚れを吸着することを目的としたものがあります。使用後にさっぱり感じることはあります。
ただし、毛穴自体を永久に小さくするものではありません。
乾燥や刺激を感じる方もいるので、製品に書かれている使い方に従ってください。この記事で「週◯回」と決めることはしません。肌の状態も、製品も、人によって違うからです。
酵素洗顔やピーリングは?
角質ケアを目的とした製品や、医療で行われるケミカルピーリングなどがあります。ただし、化粧品による角質ケアと医療施術は同じものではありません。
ただし、毛穴の構造そのものをなくすわけではありません。
そして、皮脂が主な要因なのか、弾力の低下なのか、詰まりなのかで、同じ方法が全員に同じように効くわけではありません。ここでも、「自分は何で目立っているのか」に戻ってきます。
ナイアシンアミド・レチノール・ビタミンCは?
成分の話も、期待と現実を分けてお伝えします。
ナイアシンアミド
DermNetでは、外用ニコチンアミドが目立つ毛穴への選択肢のひとつとして挙げられています。ただし同ページでは、毛穴を予防・縮小することを目的とした治療全体について、効果には限界があることも示されています。
ですので、「ナイアシンアミドを塗れば毛穴が縮む」とは書きません。化粧品としては、肌を整える成分のひとつ。完成した商品が毛穴を小さくすることを保証するものではありません。
レチノール
AADでは、レチノールやレチニルパルミテートを含むスキンケア製品が、条件によって毛穴を目立ちにくくする選択肢として紹介されています。DermNetでも外用レチノイドが選択肢として挙げられています。
ここで大事なのは、化粧品のレチノールと、医療用の外用レチノイドは別のものだということです。日本では、アダパレンなどの医療用レチノイドは処方薬です。この違いは別記事で詳しく扱っています。
化粧品のレチノール製品で肌の質感が整い、毛穴が目立ちにくく感じる場合はあります。ただ、「毛穴を消す成分」とは言えません。
刺激を感じる方もいるため、高濃度を自己判断ですすめることはしません。妊娠中・授乳中にレチノール系製品を使いたい場合は、自己判断せず産科・皮膚科などへ確認してください。 AADの一般向けページでも、妊娠・授乳中の使用を避けるよう案内しています。
ビタミンC
ビタミンCは美容成分として広く使われていますが、今回確認した毛穴の主要レビューやDermNet・AADの毛穴解説だけから、「ビタミンCを使えば毛穴が縮む」と一般化できる根拠は確認できませんでした。
ですから、「ビタミンCで皮脂を抑えて毛穴が閉じる」とは書きません。
ランキングは作りません
「1位レチノール、2位ナイアシンアミド、3位ビタミンC」というような順位づけは、この記事ではしません。
理由はシンプルで、毛穴が目立つ原因が人によって違うからです。詰まりが主な要因の方と、弾力の低下が主な要因の方に、同じ順位表を渡しても意味がありません。
ファンデーションで毛穴が目立つのは、なぜ?
「素肌のときより、塗ったあとのほうが毛穴が目立つ」。これも、よく聞きます。
考えられることはいくつかあります。
皮脂で崩れて、境目がはっきりする
粉の粒子が凹凸にたまる
乾燥して、表面が均一でなくなる
厚く塗って、かえって段差が強調される
光の反射で、影が濃く見える
原因をひとつに決めることはできません。厚塗りで凹凸がかえって強調されると感じる場合もあるので、まずは少量ずつ調整してみるのが現実的です。
対策としては、
薄く、必要なところだけ重ねる
乾燥感や皮脂量に合わせて、ベース前のスキンケア量を調整する
毛穴用の下地は、気になる部分にだけ使う
皮脂の量に合ったベースメイクを選ぶ
崩れやすい時間帯には、押さえるだけの直しにする
このあたりから試してみてください。ベースメイクは、毛穴の見え方をその日のうちに変えられる、数少ない方法でもあります。
美容医療なら、毛穴は消せますか?
ここも、期待と現実の両方をお伝えします。
レーザー、フラクショナル治療、RF(高周波)マイクロニードリング、ケミカルピーリング、その他の機器を使った治療が、目立つ毛穴に用いられることがあります。皮膚科の資料でも、皮脂腺に働きかける物理的な治療としてレーザーやRFマイクロニードリングが挙げられています。
臨床試験をまとめたレビューでは、施術後に毛穴の数や面積などが改善した報告があります。
ただし、「毛穴を消す」「永久に閉じる」治療ではありません。
研究の限界も知っておいてください
2023年に発表されたレビュー論文では、毛穴の治療に関する臨床試験19件、合計591人(うち83.7%が女性、18〜80歳)のデータが検討されています。
そこから読み取れることを、正直に書きます。
評価方法が統一されていません。 効果の測り方が研究ごとに違い、そろった報告の仕組みがない、と指摘されています。実際、評価には画像解析、医師による評価、そして患者本人の満足度という3種類が使われていました。主観的な評価も含まれている、ということです。
研究の規模は大きくありません。 19件で合計591人ですから、1件あたりの人数は多くありません。
副作用もあります。 軽度で回復するものが中心ですが、ヒリヒリ感や赤みがよく見られた、と報告されています。
永久に毛穴が消えることを示したものではありません。 レビューでは複数回施術や併用療法で改善が報告されていますが、研究間で方法や評価がそろっていません。また、年齢群によって治療の焦点を変える提案もありますが、これはレビュー著者の総括であり、個人の治療方針を年齢だけで決めるものではありません。
だから、ランキングはしません
「この施術が最強」といった順位づけを、美容の側から示すことはしません。
効果も、必要な回数も、ダウンタイムも、副作用も、向き不向きも、費用も、治療ごとに違います。そして何より、その人の毛穴が何によって目立っているのかで、選ぶべきものが変わります。
検討する場合は、医師の診察を受けたうえで、期待できることと限界を聞いてから決めてください。

今日からなら、この5つで十分です
情報が多すぎると、かえって動けなくなりますよね。まずはこれだけで大丈夫です。
1.毛穴を閉じようとして、こすらない
まず見直しやすいのは、「毛穴を閉じるためにこする・削る・強く押す」ことです。こうした刺激で毛穴を小さくできる根拠は確認できません。
2.洗顔後につっぱるなら、洗い方か製品を見直す
熱すぎるお湯やゴシゴシ洗いを避けます。それでもつっぱりやヒリつきが続くなら、使っている洗浄料や洗い方を見直してみてください。
3.肌に合う保湿
毛穴を閉じるためではなく、乾燥や刺激を避けて肌の状態を整えるためです。使用感や肌状態に合うものを選んでください。
4.毎日の紫外線対策
すぐには変わりません。でも、長い目で見て皮膚を守るという意味では、毛穴が気になる方にとっても基本のケアです。
5.新しい毛穴ケアは、一度にひとつ
酵素洗顔、レチノール、ナイアシンアミド、クレイパック。同時に始めると、何が合っていて何が刺激になっているのか分からなくなります。ひとつずつ。
そして、もうひとつ。
黒ニキビや白ニキビが多い、赤いニキビを繰り返している。そういう場合は、毛穴用の化粧品を増やすより、皮膚科という選択肢があります。 詰まりや炎症は、医療で対応できる部分だからです。
「毛穴ケア」の棚の前で悩む時間が長くなってきたら、一度そちらを考えてみてもいいと思います。
「あなたはどの毛穴タイプ?」はやりません
美容情報でよく見かける、こういうチャート。
A 丸い → 皮脂毛穴
B 縦長 → たるみ毛穴
C 黒い → 黒ずみ毛穴
分かりやすいので人気があるのですが、見た目だけで原因を断定することはできません。
同じ形に見えても、背景にあるものは人によって違いますし、複数が重なっていることのほうが多いです。振り分けた結果、必要のないケアに時間とお金を使ってしまうこともあります。
代わりに、「目安として考えられる要因」として持っておいてください。
皮脂が多く、日中のテカリも目立つ → 皮脂が関係している可能性
黒ニキビ・白ニキビが一緒に目立つ → 詰まりが関係している可能性
長い期間をかけて見え方が変化した → 弾力など複数の加齢関連要因が関係している可能性
乾燥や肌荒れの時期だけ目立つ → 表面状態が見え方へ影響している可能性
「かもしれない」で十分です。断定しなくても、試す順番は決められます。
美容でできること・医療に任せること
線を引いておきます。
美容でできること
やさしく洗う
肌の状態に合う保湿
紫外線対策
皮脂を取りすぎない
摩擦を減らす
ノンコメドジェニック表示を選択肢のひとつにする
自分に合う化粧品を、少しずつ試す
ベースメイクで見え方を調整する
刺激が出た化粧品を無理に続けない
医療に任せること
ニキビ・面皰の診断と治療
医療用レチノイドなどの処方
強い炎症への対応
ニキビ痕の治療
レーザー、RFマイクロニードリング、医療ピーリングなどの施術
毛穴だと思っているものが、別の皮膚の状態ではないかの見極め
なお、「ノンコメドジェニック」という表示は、毛穴の詰まりが起きにくいかを確認するテストを行った、という意味です。「絶対に詰まらない」保証ではありません。 選ぶときの参考のひとつ、くらいに考えてください。
皮膚科へ相談したいケース
毛穴が目立つというだけで、慌てて受診する必要はありません。そのうえで、以下に当てはまるものがあれば、相談してみることを考えてみてください。
黒ニキビ・白ニキビが多数ある
赤いニキビがある
痛みや膿がある
ニキビ痕が気になっている
急に肌の状態が変わった
市販のケアで刺激を繰り返している
毛穴だと思っているものが、何なのか分からない
美容医療を検討している
「こんなことで受診していいのかな」と思う必要はありません。何でもなければ、それも安心材料になります。
よくある質問
毛穴はなくせますか?
毛穴そのものは正常な皮膚構造なので、完全にゼロにすることを目標にはできません。目立ちにくくすることが現実的な目標になります。
毛穴の大きさは遺伝ですか?
体質による部分は大きいです。ただし、詰まりや肌表面の状態など、あとから加わっている部分もあります。
鼻と頬で原因は違いますか?
部位によって傾向はありますが、「鼻は皮脂、頬はたるみ」ときれいに分かれるものではありません。
スチーマーは使わないほうがいいですか?
使ってはいけないものではありません。ただ、毛穴が開くわけではないので、そのあと強く押し出さないようにしてください。
毛穴用下地は使っていいですか?
毛穴用下地は、見え方を調整する化粧品の選択肢です。気になる部分へ少量ずつ使い、仕上がりを見ながら調整してください。
レーザーは効きますか?
毛穴の面積や見え方などの改善を報告した臨床試験はあります。ただし、評価方法や治療条件がそろっていないため、「レーザーなら必ずこの程度改善する」と一般化はできません。医師と期待できる効果・副作用・回数を確認してください。
結局、いちばん大事なことは何ですか?
何が目立たせているのかを分けて考えること。そして、こすらないこと。この2つです。
まとめ
毛穴は、開いたり閉じたりするドアではありません。「開いている」と私たちが呼んでいるのは、毛穴の出口や周りの皮膚が大きく見えている状態のことです。
目立つ理由もひとつではありません。皮脂の量、毛包そのものの大きさ、毛穴周りの弾力。この3つが主な要因として挙げられていて、そこに詰まりやニキビ、紫外線によるダメージ、体質、肌表面の質感、光の当たり方などが重なります。
だから、「乾燥したら開く、保湿したら閉じる」という単純な話ではありませんし、頬が縦長だから絶対にたるみ、とも言えません。
そして、毛穴を完全に消すことを標準的なゴールにはできません。 DermNetでも、毛穴を予防・縮小することを目的とした治療には限界があると説明されています。
でも、できることが何もないわけではありません。
こすらない。洗いすぎない。肌に合う保湿をする。紫外線から守る。新しいことは一度にひとつずつ試す。詰まりやニキビが多いなら、皮膚科という選択肢もある。
地味ですが、これが遠回りしない道だと思います。
毛穴を消そうとするのではなく、何が目立たせているのかを知って、できることを選ぶ。
毛穴は、汚れでも、老化の証明でもありません。皮脂も、肌を守るために必要なものです。うまく付き合っていく方法を、一緒に探していけたらと思います。
執筆:Dolce(美容師歴20年以上)
現場で3万人以上の髪と頭皮を見てきた経験から、「年齢を重ねても美しい髪でいられる方法」を発信しています。
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