白髪が増える理由(Dkk1・Rspo1)
「白髪が増えてきた…」と感じたとき、多くの人は「老化だから仕方ない」と思いがちですが、実は白髪の発生には明確な“メカニズム”が存在します。ここでは、美容師として20年以上の経験と科学的な知見をもとに、白髪が増える本当の理由を解説します。
白髪は「メラノサイトの機能低下」で起こる
髪の毛はもともと白く、そこにメラノサイトという色素細胞がメラニン色素を作り出すことで黒く見えます。白髪とは、このメラノサイトの働きが弱まった状態です。
ポイントは「Dkk1」と「Rspo1」
近年の研究で、白髪の発生にはDkk1(ディッカーワン)とRspo1(アールスポワン)という2つのタンパク質が深く関わっていることが分かってきました。
- Dkk1:毛母細胞の働きを抑制し、メラノサイトの機能を低下させる
- Rspo1:毛包の再生を促進し、色素幹細胞の働きをサポートする
つまり、ストレスや加齢などの要因によってDkk1が増え、Rspo1が減少すると、メラノサイトが正常に働かなくなり、結果として白髪が増えていきます。
ストレス・睡眠不足・紫外線が影響する理由
現場でも感じるのは、ストレス過多の方ほど白髪が増えるという傾向です。ストレスによるホルモンバランスの乱れがDkk1の増加を招き、さらに血行不良によって頭皮環境が悪化します。
また、紫外線も頭皮細胞にダメージを与え、色素幹細胞のDNA修復能力を低下させるため、白髪が進行しやすくなります。
対策:メラノサイトを守る生活とケア
- 頭皮マッサージで血流を促す
- 十分な睡眠とバランスの取れた食事
- 紫外線対策(帽子・UVスプレーなど)
- アミノ酸系やスカルプケア成分配合のシャンプーを使用
特に、成分として「アシタバエキス」「ピディオキシジル」「アデノシン」などが含まれるアイテムは、色素幹細胞の活性をサポートする可能性があり、現場でも効果を実感しているケースが多いです。
まとめ
白髪は単なる加齢現象ではなく、「Dkk1とRspo1のバランス」が乱れることで発生します。ストレスや生活習慣を整えることはもちろん、頭皮の環境を守るケアを続けることで、白髪の進行を緩やかにできます。
美容師としての経験からも、日々の積み重ねが白髪ケアの最大の鍵です。
執筆:Dolce(美容師歴20年以上)
現場で3万人以上の髪と頭皮を見てきた経験から、「年齢を重ねても美しい髪でいられる方法」を発信しています。


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