トリートメントより大事なのはシャンプー?美容師が教える髪を変える本当のケア
こんにちは、ドルチェです。
美容師として20年以上、毎日お客様の髪に向き合ってきて実感するのは、髪を本当に変えるのはトリートメントではなくシャンプーだということです。
なぜトリートメントよりシャンプーが大事なのか?
髪の毛は「死んだ細胞」でできているため、一度ダメージを受けたら本当の意味で修復はできません。
トリートメントはあくまで髪の表面をコーティングし、手触りやツヤを補助するもの。
一方、シャンプーは毎日使うからこそ、頭皮環境を整えて未来の髪を育てる基盤になります。
もし強い洗浄力のシャンプーを毎日使っていると、知らないうちに髪や頭皮を傷め続けることになるのです。
シャンプー成分で髪は変わる
シャンプーの良し悪しは「成分表示」でほぼ決まります。
特に成分表の最初に書かれている5〜10個は配合量が多く、シャンプーの性質を決定づけます。
美容師が選ぶ!おすすめのシャンプー成分 5選
- ココイルグルタミン酸Na / TEA
アミノ酸系。低刺激でしっとりまとまりやすい。乾燥毛やダメージ毛に◎ - ラウロイルメチルアラニンNa
泡立ちがよく、軽やかに仕上がる。細毛・軟毛におすすめ。 - ココイルメチルタウリンNa
マイルドな洗浄力で皮脂を取りすぎず、頭皮環境を整える。 - ラウロイルアスパラギン酸Na
保湿力が高く、敏感肌や乾燥肌にやさしい。 - ココイル加水分解コラーゲンK
洗いながら潤いを与え、髪にハリとコシを出す。
美容師が避けたい!毎日使うには強すぎる成分 5選
- ラウレス硫酸Na
洗浄力・脱脂力が非常に強い。台所用洗剤と同レベル。 - ラウリル硫酸Na
ラウレス硫酸よりも刺激が強く、頭皮が荒れやすい。 - オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
泡立ちは良いが強力すぎ、乾燥やパサつきを招きやすい。 - スルホン酸系全般(例:パレス-3硫酸Naなど)
安価で泡立ちが良いが、敏感肌には不向き。 - 石けん系(カリ石けん素地など)
一見ナチュラルだが弱アルカリ性で髪がきしみやすい。
サロン施術の効果を台無しにするシャンプー
美容室で行うカラーやトリートメントには、髪の内部に定着するように設計された成分(例:活性化ケラチン、トステア、ファイバーハンスなど)が含まれています。
これらは、次回の施術まで残っていることで髪をより美しく見せる+ダメージを抑える効果があります。
しかし、市販でよくある強力な洗浄成分入りシャンプーは「汚れ・カラー成分・トリートメント成分」の区別なく、すべて一緒に洗い流してしまいます。
その結果、せっかくサロンで投資したケアの持続力が激減してしまうのです。
施術後こそ“アミノ酸系のやさしいシャンプー”を使うことで、効果を1〜2週間長持ちさせられる=髪の見た目や手触りが大きく変わります。
トリートメントの「補修」とは?本当の意味
よく「補修トリートメント」と聞きますが、ここでいう“補修”は決して元の健康な髪に戻すことではありません。
実際には3つの役割に分けられます。
- 内部強化型(活性化ケラチン、トステア、ファイバーハンスなど)
髪の内部に入り込み、疑似的に強化する「補強」。 - 表面コーティング型(シリコン、カチオンポリマーなど)
手触りやツヤを良くする「見た目補修」。 - pH調整型
カラーやパーマでアルカリに傾いた髪を弱酸性に戻す。ダメージの進行を抑える効果がある。
つまり、トリートメントは「補強・コーティング+pH調整」という働きであり、本来の健康な髪に再生するわけではないのです。
美容師としての結論
- 髪は死んだ細胞 → 真の修復はできない
- シャンプーは「守る」役割で未来の髪を左右する
- トリートメントは「補強」「コーティング」「弱酸性に戻す」役割で補助する
- だからこそシャンプー+トリートメントを正しく組み合わせることが大切
まとめ
- トリートメントよりシャンプーの方が髪の未来を左右する
- 成分表の上位5〜10個をチェックして、アミノ酸系を選ぶ
- 強すぎる成分は避ける
- サロン施術の効果を守るのもシャンプー次第
- トリートメントは「補修=補強・コーティング・pH調整」で補助的役割
👉 毎日の積み重ねが、数年後の髪の美しさを決めます。
執筆:Dolce(美容師歴20年以上)
現場で3万人以上の髪と頭皮を見てきた経験から、「年齢を重ねても美しい髪でいられる方法」を発信しています。


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