全身1本で洗える“やさしい洗浄剤”の選び方と実在成分10選【美容師が徹底解説】

こんにちは、美容師歴20年以上のDolceです。

前回の記事では「皮は一枚」という本質から、頭・顔・体を別々の洗浄剤で洗う必要はないという話をしました。

今回はその続きとして、「じゃあどんな成分なら本当に全身洗えるのか?」という一番大事な部分を、実際の市販商品の裏成分をもとに徹底解説していきます。


1. 成分表がすべて。“全身洗えるか”はここで決まる

どれだけパッケージが魅力的でも、「敏感肌用」「保湿」と書いてあっても、本当に大事なのは裏面の「全成分表示」です。

肌や髪にやさしく、バリア機能を守りながら洗えるかどうかは、配合されている界面活性剤の種類とバランスで決まります。

ここからは、実際に市販されている商品の成分表(※商品名は伏せていますが、すべて実在の製品)をもとに、Dolce目線で“良い例”“悪い例”を見比べてみましょう。


✅ 全身に使える「良い成分配合」5選(実在商品)

① 成分例(実在製品A)

水、ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、BG、ペンチレングリコール、クエン酸、フェノキシエタノール

💡 Dolce解説

→ 洗浄成分のメインがアミノ酸系+ベタイン系で構成されており、刺激が非常にマイルド。皮脂膜を奪いすぎず、頭皮・顔・体すべてに使えるバランスです。保湿成分との組み合わせも◎

② 成分例(実在製品B)

水、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドDEA、ココイルグルタミン酸K、コカミドプロピルベタイン、ポリクオタニウム-10、ヒアルロン酸Na、クエン酸Na

💡 Dolce解説

→ アミノ酸系+ベタイン系で構成され、保湿補助成分(ヒアルロン酸Naなど)も含まれている点が優秀。仕上がりがつっぱらず、洗顔にも向きます。

③ 成分例(実在製品C)

水、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルアラニンTEA、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、ペンチレングリコール、カプリル酸グリセリル

💡 Dolce解説

タウリン系とアミノ酸系のブレンドは泡立ちとマイルドさのバランスが良く、髪にも顔にもOKな仕上がり。乾燥肌・敏感肌にも安心な処方です。

④ 成分例(実在製品D)

水、ラウロイルアスパラギン酸Na、コカミドプロピルベタイン、ココイルグルタミン酸K、ペンチレングリコール、グリチルリチン酸2K、クエン酸

💡 Dolce解説

アスパラギン酸系は刺激が特に低く、赤ちゃんにも使えるほどマイルド。肌荒れが起きやすい人やアトピー肌にも向くレベルの処方です。

⑤ 成分例(実在製品E)

水、ココイルグルタミン酸2Na、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、BG、セラミドNP、クエン酸Na

💡 Dolce解説

→ 保湿と洗浄のバランスが非常に良く、全身洗い用として理想的な構成です。セラミドが配合されている点も珍しく、乾燥対策まで考えられた設計です。


❌ 全身に使うには注意が必要な「不向きな成分配合」5選(実在商品)

これらの成分が**先頭付近**に来ている洗浄剤は、特に顔や乾燥しがちな体への使用に注意が必要です。

① 成分例(実在製品F)

水、ラウレス硫酸Na、コカミドDEA、塩化Na、香料、EDTA-2Na、メチルパラベン

⚠ Dolce解説

→ 代表的な高級アルコール系界面活性剤(ラウレス硫酸Na)が主成分。洗浄力が強く、皮脂を落としすぎてバリアを破壊する可能性あり。髪や体には問題なくても、顔には不向きです。

② 成分例(実在製品G)

水、ラウリル硫酸Na、コカミドMEA、PEG-7グリセリルココエート、香料、クエン酸

⚠ Dolce解説

ラウリル硫酸Naはラウレス硫酸Na以上に刺激が強く、毎日顔や頭皮に使うにはリスクが高いです。全身洗いにはおすすめできません。

③ 成分例(実在製品H)

水、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、コカミドプロピルベタイン、塩化Na、香料、安息香酸Na

⚠ Dolce解説

オレフィンスルホン酸は脱脂力が強く、乾燥・つっぱり・刺激の原因になりがち。頭皮や顔に使うとバリア機能を削りやすいため注意が必要です。

④ 成分例(実在製品I)

水、スルホコハク酸ラウレス2Na、コカミドMEA、塩化Na、香料、フェノキシエタノール

⚠ Dolce解説

スルホコハク酸系は泡立ちが良くコスパも高いですが、敏感肌や乾燥肌には刺激が強すぎるケースがあります。全身洗い用には避けた方が無難です。

⑤ 成分例(実在製品J)

水、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸Na、コカミドDEA、PEG-40水添ヒマシ油、香料

⚠ Dolce解説

→ 強力な硫酸系(ラウレス硫酸系)のダブル構成。洗浄力が極めて高く、頭皮や肌のバリアを壊すリスクが高い典型例です。毎日使うと乾燥やフケ・かゆみの原因にもなり得ます。


Dolce式「成分チェックリスト」

全身に使える洗浄剤を選びたいなら、裏ラベルを見るときはここだけチェックすればOKです:

  • ✅ メインが「アミノ酸系」「ベタイン系」になっているか
  • 「ラウレス硫酸」「ラウリル硫酸」「オレフィンスルホン酸」が先頭に来ていないか
  • ✅ シリコンや過剰なオイルで“膜感”が出ない設計か
  • ✅ 保湿成分(グリセリン、ヒアルロン酸、セラミドなど)が入っているか
  • ✅ 無香料または低刺激な添加剤構成か

まとめ:「“皮は一枚”ケアの第一歩は、裏ラベルを見ること」

全身を別々の洗浄剤で洗うかどうかは、「商品名」や「パッケージ」で決まるものではありません。

大事なのは「どんな成分で洗っているか」

今回紹介したような成分なら、1本で頭も顔も体も洗えますし、肌や髪の本来の力を守ることができます。

“皮は一枚”という本質を忘れず、ぜひ次に買うときは裏ラベルから選ぶという習慣を始めてみてください。


🪄 Dolce’s Message

現場では、「洗浄剤を変えただけで乾燥が止まった」「肌荒れが改善した」という声を本当に多く聞きます。

高級な美容液やトリートメントを買う前に、“洗うもの”を見直すことこそが美しさへの第一歩です。

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