「塗るだけ」ではもったいない。手の動きひとつで結果が変わる
前回の記事では「高い美容液より、手間と使い方が大事」という話をしました。
今回はその続きを──同じアイテムを使っても塗り方・重ね方・タイミングで肌の変化が変わる理由を、美容師として20年以上・延べ3万人の肌に触れてきた私が解説します。
STEP 1|塗り方:手の“圧”と“方向”を意識するだけで浸透率UP
💧NG:こする・叩く
摩擦やパッティングは角質を傷つけ、せっかくの有効成分を無駄にします。
✅ OK:押し込む・包み込む
- 手のひらを温めてから、美容液を顔全体に広げる
- 頬 → 額 → 鼻 → あご の順に、指の腹ではなく手のひら全体で包み込むように軽く圧をかける
- 呼吸に合わせて10秒ずつハンドプレスし、なじませる
👉「温度」と「圧」が浸透を助け、肌の血流とリンパの流れを高めます。
耳下腺(耳の下)まで流すイメージで行うと、むくみも軽減され、フェイスラインが引き締まります。
STEP 2|重ね方:重ねる順番は“水→油→保護膜”が鉄則
どんなブランドでも、重ねる順番を間違えると効果が半減します。
肌の層に合わせた順番を意識しましょう👇
| ステップ | アイテム | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 導入液(ブースター)や化粧水 | 水分を届けて美容液がなじむ“通り道づくり” |
| ② | 美容液 | 有効成分を角層に届ける“主役” |
| ③ | 乳液・クリーム | 水分と美容液を逃がさない“フタ” |
💡ワンポイント:
美容液を塗った後は30秒〜1分置いて、肌が「もう少し欲しい」と感じるまで待つのが理想。
すぐに乳液を重ねず、“浸透の間”をつくるのがコツです。
STEP 3|週1リセット:“肌をクリアにする日”を作るだけで効きが変わる
どんな肌でも、日々の汚れや古い角質が少しずつ溜まっていきます。
週に1度、“美容液が効きやすい肌”を作るリセットデーを設けましょう。
🧴週1ケアの黄金ルーティン
- 酵素洗顔 or 炭酸洗顔で毛穴・角質を週の汚れと一緒にやさしくオフ
- 保湿パック(シート or ジェル)で肌の奥まで水分を満たす
- 仕上げに美容液+クリームでしっかり密閉
💡美容師として現場で感じるのは、
“週1で角質をリセットしている人ほど、美容液の効きが早い”ということ。
吸収力が上がると、翌朝のツヤ・手触りがまるで違います。
💬よくある質問(Q&A)
Q:朝と夜で塗り方を変える必要ある?
→ あります。朝は“軽く・早くなじませる”を意識。夜は“時間をかけて押し込む”。
朝は外出前のメイク崩れ防止、夜は修復タイムです。
Q:美容液は何本も重ねていい?
→ 2本までが限界。多すぎると浸透せず“肌表面で混ざってムラ”になります。
Q:塗り忘れやすい部分は?
→ フェイスラインと首元は忘れずに。
美容液は顔だけでなく、年齢の出やすい首まで伸ばすのが◎。
特に夜はリンパを流すように軽くマッサージすると、血流促進+リフトアップ効果も期待できます。
Q:化粧水を塗る前と後、どっちがいい?
→ 美容液の種類によります。
「導入美容液」は洗顔後すぐ、「一般的な美容液」は化粧水の後。
迷ったらパッケージの指示を守りましょう。
💡まとめ|“手間をコントロール”すれば、効果はコスメの数倍に
美容は「買う」より「使い方」で差がつきます。
高い美容液も、1,000円台のプチプラも──あなたの“手間”次第で最高の結果を引き出せる。
今日から“なじませ方”“重ね方”“1分の待ち時間”を意識してみてください。
それだけで、いつものスキンケアが“結果の出る習慣”に変わります。
📎次回予告
次回は「肌タイプ別・美容液が効かない原因と解決法」を徹底解説。
乾燥・敏感・脂性、それぞれの“効かせる順番”を紹介します。
執筆:Dolce(美容師歴20年以上)
現場で3万人以上の髪と頭皮を見てきた経験から、「年齢を重ねても美しい髪でいられる方法」を発信しています。


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