「ヒト幹細胞コスメは安全? がんのリスクは?」──そんな不安に、美容業界で20年以上、お客様の肌と向き合ってきた立場から、
実際の安全性・起こりやすい勘違い・安心して使うコツを本音で解説します。
そもそも「幹細胞」そのものは入っていない
化粧品に使われるのは幹細胞培養上清(※上澄み)で、生きた細胞ではありません。上清には成長因子やペプチド、タンパク質などが含まれ、
肌細胞へ“修復の合図(シグナル)”を出すことで、回復力をサポートします。
「成長因子=がんが増える?」の誤解を解く
成長因子は特定の受容体(レセプター)に結合して、細胞のふるまいを調整します。これは制御されたシグナル伝達であり、
シグナルがなくても勝手に増殖する“制御喪失状態”のがん細胞とはメカニズムが根本的に異なります。
※がん治療中・免疫が著しく低下している場合は、必ず医師に相談してください。個別の病状や治療と干渉する可能性を考慮するためです。
薬機法の観点:化粧品は「角質層まで」
日本の薬機法上、化粧品の作用部位は角質層までと解釈されます。つまり、生体内の深部にまで影響する設計ではありません。
したがって、体内の腫瘍に直接作用する類のリスクとは距離があると考えるのが妥当です。
実際に起こりやすい「副反応」は?
- 一時的な赤み・ピリつき:添加物や他成分(高濃度ビタミンC、レチノール等)による刺激が原因のことが多い。
- 相性不一致:肌バリアが乱れている時期に攻めの成分を重ねると、負担が増す。
初めての方、敏感肌の方はパッチテスト/低頻度スタートが安全です。
安心して選ぶためのチェックリスト
- ドナー情報の透明性:年齢・健康基準・由来の記載有無。
- 製造背景:培養地・最終加工地(「国産」表示でも原料が海外のことあり)。
- 配合表示:「原液◯%」か「希釈後◯%」かの明記。
- 導入設計:ナノ化・リポソーム化などの“届ける工夫”があるか。
まとめ:過度に怖がらず、情報の透明性で選ぶ
ヒト幹細胞コスメは肌の回復力を底上げする化粧品。がん増殖と結びつけるのは誤解です。
ただし品質差は大きいので、透明性の高いメーカーと無理のない使用法で賢く取り入れましょう。
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