白髪が増える本当の原因【Dkk1とR-Spondin1まで解説|美容師が本音で語る】

ヘアケアー

こんにちは、ドルチェです。
美容師として20年以上、何千人という髪と向き合ってきましたが、「白髪ってなんで増えるの?」「ストレスのせい?」「歳だから仕方ないの?」という質問は本当に多いです。

実は、白髪の原因は“メラノサイトがいなくなる”ことであり、ただの「老化」や「遺伝」だけでは片づけられない、細胞レベルのメカニズムが関わっています。

この記事では、専門家の間でも注目されている
✅「Dkk1(ディッケー1)」という“脱色因子”
✅「R-Spondin1(Rspo1)」という“毛を育てる司令塔”
まで踏み込んで、白髪が増える本当の仕組みと、現場での対策をわかりやすく解説していきます。




白髪の本当の正体は「メラノサイトの機能低下」

白髪は、髪の色をつくる細胞「メラノサイト」が機能しなくなることで起こります。
髪は本来、毛母細胞が作ったケラチン(髪の本体)に、メラノサイトがメラニン(色素)を供給することで黒くなります。

このメラノサイトが「いない」「働いていない」状態になると、髪は色を持たずに透明〜白いまま生えてきます。
つまり、**“白髪は髪が老化した”のではなく、“メラノサイトが働いていない”**ということ。




Dkk1(ディッケー1)とは?白髪のスイッチを押す「脱色因子」

白髪研究で近年注目されているのが、**Dkk1(Dickkopf-related protein 1)**というタンパク質です。
これは「脱色因子」とも呼ばれ、メラノサイトの働きを抑制し、結果として髪の色素が作られなくなってしまう原因の1つです。

🧪 どんなときにDkk1が増えるのか?

加齢による細胞の老化

慢性的なストレス

紫外線や炎症によるダメージ


これらが積み重なると、Dkk1が増え、メラノサイトを司令するWntシグナルがブロックされ、結果的にメラノサイトの再生や分化が止まってしまいます。
すると新しく生えてくる髪は色を持たず、「白髪」として生えてくるのです。




R-Spondin1(Rspo1)とは?白髪を防ぐカギとなる「成長因子」

Dkk1のブレーキとは対照的に、メラノサイトの働きを“進める”成長因子が R-Spondin1(Rspo1) です。

Rspo1はWntシグナルを強化・活性化する働きを持ち、メラノサイトの再生や分化をサポートします。
つまり、Rspo1がしっかり働いていると、色素を作る能力が保たれやすくなり、白髪化を防ぐ力が高まるということ。

ただし、残念ながらこのRspo1も加齢や生活習慣の影響で減少します。
年齢とともに白髪が増えるのは、「Dkk1が増える+Rspo1が減る」という**“ダブルパンチ”**が起きているからです。




白髪を増やす生活習慣 〜美容師が現場でよく見る例〜

白髪は遺伝や年齢だけではありません。現場で見ていると、次のような生活習慣の人は白髪が増えやすい傾向があります。

❌ 慢性的な睡眠不足・ストレス
→ 自律神経の乱れはメラノサイトの働きに大きく影響。Dkk1増加の原因に。

❌ 紫外線・頭皮炎症を放置
→ 頭皮環境の悪化は毛包の老化を早め、メラノサイトの数を減らします。

❌ 過度なダイエット・栄養不足
→ チロシンや銅など、メラニン生成に必要な栄養素が不足すると色素供給が止まる。

❌ 血流不足・冷え性
→ メラノサイトへ栄養が届かず、働きが鈍くなります。




美容師目線でできる白髪対策3つ

白髪を“完全に止める”方法は今のところ存在しません。
しかし、「メラノサイトが働ける環境」を整えることで、白髪の進行を遅らせたり、目立ちにくくすることは十分可能です。

① 頭皮の血流を上げる習慣をつくる

頭皮は畑、毛は植物です。栄養(血液)が届かなければ健康な毛は育ちません。
日々のマッサージや湯船に浸かる「頭寒足熱習慣」で、毛母細胞やメラノサイトにしっかり栄養を届けましょう。

② 炎症・紫外線対策を徹底する

紫外線はDkk1の増加にもつながります。
春〜初夏(3〜6月)は特に紫外線量が多いので、帽子や頭皮用UVスプレーなどで防御を。

③ 栄養バランスを整える

メラニン合成には「チロシン」「銅」「亜鉛」「ビタミンB群」などが必要です。
バランスの良い食事に加えて、必要に応じてサプリも検討を。




まとめ|白髪は「細胞の仕組み」を知ることで対策が変わる

白髪は「年齢だから仕方ない」と思われがちですが、実は Dkk1とR-Spondin1という因子のバランスが大きく関係しています。

✅ Dkk1(脱色因子)が増える → メラノサイトが働かず白髪になる
✅ Rspo1(成長因子)が減る → メラノサイトが育たず白髪が進む

この仕組みを知れば、「血流をよくする」「紫外線対策をする」「栄養を整える」といった行動が、白髪対策として“本当に意味がある”とわかるはずです。

白髪はただの老化現象ではありません。
髪を作る環境を整えることで、まだまだ変えられる未来があるということを、現場から声を大にして伝えたいです。




✏️ 美容師としての本音:「白髪ケア=染めること」だけではありません。
“なぜ白髪になるのか”を理解してこそ、本当に効果のある対策が見えてきます。

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