アトピー肌とどう向き合う?美容師視点で考える正しいケアと工夫

スキンケア

こんにちは、ドルチェです。美容師として20年以上お客様の髪や肌と向き合う中で、アトピー肌で悩まれる方とたくさん出会ってきました。

「アトピー肌だから美容室のカラーはできない」
「保湿って本当に意味あるの?」

そんな声をよくいただきます。今回は美容師の視点から、アトピー肌の正しい理解とケア、そして美容室や日常でできる工夫について、できるだけわかりやすく解説します。




アトピー肌とは?

まず「アトピー肌」とは何かを整理しておきましょう。

本来肌が持つ バリア機能(外的刺激を防ぎ、水分を保つ力) が弱い状態

アレルギー反応や遺伝的要因、環境の影響で炎症が起こりやすい

季節や体調によって症状が強く出たり落ち着いたりする


つまりアトピー肌は「生まれ持った素質+環境要因」で症状が変動する、とてもデリケートな肌状態です。




症状が悪化する季節と原因

「季節によってひどくなる」という方も多いですよね。

春先:花粉や黄砂など、アレルギー物質が出口を求めて肌に反応 → 赤み・かゆみ

夏:汗や紫外線による刺激 → 炎症・色素沈着

冬:乾燥によるバリア機能の低下 → ひび割れ・かゆみ


このように、季節ごとに症状の出方や悪化の要因が異なります。




日常ケアで一番大切なこと

正直に言うと「全部完璧にケア」するのは現実的に難しいです。
でも、日々のケアを忘れてしまっても「保湿だけはやる」 ——これだけで肌の状態は大きく変わります。

セラミドやヒアルロン酸など保湿成分入りのスキンケア

顔用化粧水(オイルなしタイプ)をアトマイザーに入れて頭皮にも使うのも◎

かゆいときは「かく」より「冷やす」ことを徹底


保湿は「攻めのケア」というより 肌を守るベース作り です。毎日の積み重ねがアトピー肌にとって最も重要です。




美容室でできる工夫

「アトピー肌だからカラーできない」と思っている方もいますが、工夫次第で可能です。

頭皮に薬剤をつけない塗布(オフスカルプ)

カラー剤に糖質を混ぜる → 髪表面にラメラ構造ができ、刺激を和らげる(体験的にも有効と感じる施術)

刺激を弱めるスプレーを事前に頭皮へ塗布 → バリアを作り刺激を軽減

過酸化水素を除去する処理

施術後に頭皮を弱酸性に戻すアフターケア


これらを組み合わせれば、刺激を最小限にしながらおしゃれを楽しむことが可能です。

ただし、全ての美容室が対応しているわけではないので、事前に確認するのがおすすめです。




漢方やデトックスという選択肢

アトピーのケアには、西洋医学の治療と並行して 漢方やデトックス を取り入れる方もいます。

巡りを整えて炎症をやわらげる

体内の余分な熱や老廃物を排出する

体質改善を目的に長期的に取り入れる


例えば「清熱解毒系」「補血・補気系」の漢方は症状や体質によって使い分けられます。




一時的に悪化する「好転反応」について

漢方やデトックスを始めたときに、一時的に赤みやかゆみが強くなることがあります。
これは「体が不要なものを外へ出す過程」であり、東洋医学では「好転反応」と呼ばれることもあります。

数日〜1週間程度で落ち着く場合 → 前向きに受け止めてもOK

長引く/悪化が強い場合 → 単なる悪化の可能性もあるので皮膚科へ相談


「これは好転反応だから放っておけばいい」と思い込みすぎるのは危険です。
安心感とリスクの両方を理解し、正しい判断をしながら取り入れることが大切です。




まとめ

アトピー肌は「治療すればすぐ治る」ものではなく、体質や環境と長く付き合うものです。

日々のケアを忘れてしまっても「保湿だけはやる」

美容室でも刺激を減らす工夫は可能。事前に確認して安心して施術を受ける

デトックスや漢方を取り入れるときは「好転反応」のリスクも理解しておく


そして何より大切なのは、「一人で悩まないこと」。
皮膚科や専門家の力を借りつつ、日常の工夫で少しずつ快適に過ごせる状態を目指しましょう。




💡この記事は「美容師から見たアトピー肌への向き合い方」をまとめたものです。
医学的な診断や治療を代替するものではありません。症状が強いときは必ず医師に相談してください。

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