シャンプー・洗顔・ボディソープ、別々に使う必要ある?“皮は一枚”という本質から考える洗浄の真実

こんにちは、美容師歴20年以上のDolceです。
現場で3万人以上の髪や頭皮・肌と向き合ってきて、ずっと「おかしい」と感じていることがあります。
それは、「なぜ、頭・顔・体を別々の洗浄剤で洗っているのか?」ということです。

あなたも「シャンプー・洗顔・ボディソープは別々が当たり前」と思っていませんか?
でも本来、人の体は頭から足の先までひと続きの“皮”でできています。この本質を知れば、洗い方の常識がガラリと変わります。


1. 洗浄剤の仕組みはすべて同じ「界面活性剤」

シャンプーも洗顔料もボディソープも、基本の仕組みはすべて“界面活性剤”です。
これは油(皮脂や汚れ)を包み込んで水で流す性質を持つ成分で、どの洗浄剤も「汚れを落とす」という目的は同じ。

違いがあるとすれば、「どのくらい落とすか」と「何を残すか」という設計の部分です。
つまり、構造的には同じ“洗剤”でありながら、処方によって仕上がりや刺激の度合いがまったく変わります。


2. 市販シャンプーとボディソープの“落とし穴”

多くの人が「全身同じ洗浄剤では無理」と思ってしまう原因は、市販品の設計にあります。

  • 市販シャンプーの多くは、「手触りを良くする」「指通りを良くする」ためにシリコンなどのオイル成分を多く配合しています。これが肌に使われると、ヌルヌルした膜が残ってしまい、“落ちていない”感覚になります。
  • ボディソープの多くは、洗浄力が強く油分を根こそぎ落とすように作られています。オイルが入っていない分、皮脂膜まで奪ってしまい、ガサガサに乾燥しがちです。

つまり、「全身に使えない」のではなく、「“全身用”の設計になっていないだけ」なんです。


3. 予洗いで8割落ちる。だから“やさしい洗浄剤”で十分

洗浄の本質を知っているプロほど、「洗浄力の強さ=良さ」ではないことを知っています。
事実として、お湯だけの予洗いで約70〜80%の皮脂や汚れは落ちます。だからこそ、残りの2〜3割を落とす洗浄剤は、やさしい力で十分なんです。

やさしい洗浄力の洗浄剤なら、顔も体も頭皮も、1本でまかなえる
むしろ部位ごとに強さの違う洗剤を使ってバリア機能を壊すより、統一したやさしい処方で洗う方が肌への負担は少なくなります。


4. 本当に大事なのは「成分を見て選ぶ力」

全身1本で洗えるかどうかは、「何で洗うか」にかかっています。
ポイントは以下の通りです:

  • アミノ酸系界面活性剤(例:ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa)
    → マイルドで保湿力も高く、肌・髪どちらにも使える万能選手
  • ベタイン系(両性)(例:コカミドプロピルベタイン)
    → 低刺激で、泡立ちや仕上がりをサポート
  • 不要なシリコン・強力なアニオン系洗浄剤は避ける
    → 肌に残留膜ができたり、バリア破壊の原因になる

こうした“中身”を理解して選べば、頭皮も顔も体も、すべて1本の洗浄剤で洗えるんです。


5. 「皮は一枚」それを忘れずに

頭も顔も体も、全部つながった「一枚の皮」です。
にもかかわらず、なんとなくの常識で「これはシャンプー用」「これはボディ用」と分けてしまっている人がほとんどです。

でも、本質はただ一つ。
「落としすぎず、残しすぎず、必要なものだけを洗い流す」という考え方さえあれば、1本の洗浄剤で全身を洗うことは可能です。

そのためには、「成分を知ること」「選び方を変えること」――それだけで、あなたの髪も肌も本来の健康を取り戻せます。


次回予告

次回の記事では、「じゃあ実際にどんな成分なら全身に使えるのか?」をさらに深掘りしていきます。
[関連記事]全身洗いに使える“やさしい洗浄剤”の選び方とおすすめ【成分別に解説】


🪄 Dolce’s Message

私がこの記事を書いたのは、現場で「洗うだけで乾燥が止まった」「肌荒れが消えた」という人を何度も見てきたからです。
高級な美容液やトリートメントの前に、まず“洗い方”と“洗うもの”を見直すこと。
それが、すべてのケアの第一歩です。

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